攻撃されたら、スポンジボブの精神|悪口や理不尽から自分を守る生き方 参謀医Reimy

メンタル

正直に言う。最初にスポンジボブを観たとき、全然好きじゃなかった。

街でキャラクターグッズとして見かける黄色い可愛いスポンジと、アニメの中のボブは全然違う気がした。目玉は飛び出るやら身体は干からびるやらグロテスクだし、なんだか汚いし、下品で。「なんでこんなに愛されているんだろう」と思っていた。

まさか、あのスポンジボブに外来で何度も助けられるとは、当時の私には想像もできなかった。

今日は、悪口や理不尽な攻撃をスルーするスキルについて話したい。

攻撃してくる人の正体。なぜ、あの人はあなたに悪意をぶつけるのか?

悪口を言う人。行き過ぎたイジリをしてくる人。理不尽なクレームをぶつけてくる人。診察室で最後に、突然、椅子を蹴り飛ばし出て行く人。

そういう人を前にすると、「私が何かしたのか」「私に問題があるのか」と思いたくなる。でも、違う。

攻撃してくる人は、たいてい自分の中に抱えているものがある。満たされない何か。傷ついた過去。うまくいかない日常のフラストレーション。その時の体調や気分の悪さ。

それが、たまたまあなたに向かってきているだけだ。あなただけに原因があるわけじゃない。

プランクトンは、なぜレシピを盗もうとするのか?あなたの「魅力」が攻撃を引き寄せている

スポンジボブには、プランクトンという敵キャラクターが出てくる。バーガーのレシピを盗もうと、毎回あの手この手で企みを仕掛けてくる。

でも考えてみると、プランクトンがあそこまで躍起になるのは、スポンジボブのハンバーガーがそれだけ魅力的だからだ。

スポンジボブは、レシピを狙われるという危機の中でも、失敗しても、オーナーやお客にガミガミ文句を言われても、ただひたすらハンバーガーを作り続ける。時には敵なのにプランクトンに共感、同情する。その純粋さは、プランクトンがレシピを盗むという本来の目的を忘れてしまうほどだ。

そんなスポンジボブが魂をこめてつくるハンバーガーのレシピだからこそ、プランクトンはますます盗みたくなるのだろう。

攻撃の裏には、妬みや羨ましいという気持ちが隠れていることがある。あなたが攻撃される時、それはあなたに魅力があるからかもしれない。

精神科外来で気づいた、激しく攻撃してくる人の「裏側」

外来では、こういう場面に何度も立ち会ってきた。

待ち時間にイラついていたのか、診察室に入るなり「薬を早く出せ!」と大声で怒鳴る患者さん。椅子を蹴って診察室を出て行く人。患者さん本人ではなく、付き添いの方がクレーマーのようになってしまうこともある。

外来以外でも、いつも愚痴ばかりで他人に攻撃的な人。常に機嫌が悪く、不満や不平を言い続ける人。そしてパパと意見がぶつかる瞬間。

理不尽な言葉をぶつけてくる人に向き合いながら、私が気づいたことがある。単に病状が悪化している場合もあるけれど、激しく攻撃してくる人ほど、その裏に深い苦しさを抱えていることが多い。

怒りは二次感情だ。その奥には、不安や悲しみや、助けてほしいという叫びが隠れていることがある。

だから私はスポンジボブでいようと思った。その言葉をまともに受け取りすぎず、でも目の前の人を見捨てず、自分のできることをし続ける。

スポンジボブの精神は「踏ん張りどき」にも使える

このスキルは、攻撃を受けた時だけじゃない。目の前の辛いこと、大変なことをやらなきゃいけない時、踏ん張りどきの時にも使えるスキルだ。

私がスポンジボブと自分を重ねやすいのは、ワンオペ育児の時、まさに料理をしている時だ。

スポンジボブなら、こんな時どうするだろう。鼻歌を歌いながら急ぎ足で買い物をしているかな。お肉を炒めながら何か歌っているかな。赤ちゃんが泣いているなかで上の子の相手をしているなら、手足が枝のようにヒョロヒョロになっているかな。赤ちゃんにミルクをあげるたびにげっそりしぼんでいくかな——。

そう想像すると、しんどい状況が少し笑えてくる。

パパと喧嘩している時は「自分がスポンジボブなら、目の前のパパはパトリックだ」と思うようにしようかと最近考えている。そう思うと、なぜか少し力が抜けて、喧嘩の最中に笑えてくる。

あなたも、誰かと衝突した時や踏ん張りどきに、自分の好きなアニメやコメディのキャラクターに重ねてみてほしい。日常をコメディに変換してしまう。それも、立派な心の守り方だ。

攻撃してくる人への「距離の置き方」、逃げることとは違う

攻撃してくる人への一番の対策は、物理的に距離を置くことだ。

子どもが癇癪を起こして攻撃的になったら、少し距離をとってあげる。私はすーっと離れて、洗濯物を畳んだりする。職場に気難しい人や怒りっぽい人がいるなら、同じ空間に長くいないようにする。外来で病状が悪化して攻撃的になっている患者さんがいる場合は、ある程度の距離を確保して、席を少し離す工夫をする。

人との距離が近いこと自体がストレスになってしまう方もいる。医師という存在が負担になってしまう場合もあって、看護師さんなど第三者がいた方が落ち着いていられることもある。

ここで大切なことを伝えたい。

距離を置くのは、逃げることでも、避けることでもない。

距離をとることが、相手の精神的な負担を減らすことにもなる。自分を守ることと、相手を思いやることは、矛盾しない。むしろ、適切な距離こそが、お互いにとっての安全地帯になることがある。

スポンジボブの本当の強さ。傷ついても「自分の持ち場」に戻るということ

誤解しないでほしいのだけど、スポンジボブは何も感じていないわけじゃない。傷つくこともある。泣くこともある。絶望に打ちひしがれることもある。

でも、それでもまたハンバーガーを作る。やりたいことに挑戦していく。自分のやるべきことに、戻ってこられる。

それが、本当の強さだと思っている。

攻撃された時、完全に無関心でいる必要はない。傷ついていい。悔しくていい。ただ、その後で。自分の持ち場に、戻ってこられるかどうか。

これが、スポンジボブから学んだ最強のスルースキルだ。

傷ついたあなたへ

誰かの言動に傷ついたとき、思い出してほしい。

あなたを攻撃してくる人は、自分の中の何かと戦っている。必死で、よくわからないまま、怒りをコントロールできないまま、あなたを攻撃してしまったんだ。

それを、あなたはまともに喰らった。それは、つらい。本当に、つらい。

さて、スポンジボブならどうするか。と考えてみて。

傷ついても、失敗しても、また自分のハンバーガーを作り続けるスポンジボブのように。自分の持ち場に、戻ってこられる人でいてほしい。

それが、あなたを守る一番の力になるから。


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参謀医Reimy より

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