赤ちゃんの睡眠リズムを整える方法|精神科医ママが実践した光・音・ルーティンの工夫 参謀医Reimy

子育て

「どうすれば寝てくれるの?」

そう思いながら、今夜も寝かしつけをしているあなたへ。

赤ちゃんの睡眠は、運ではない。いや、正しくは「運は、作れる」かな。つまり環境を整えれば、変わる。精神科医として、そしてあなたたちを育てている母として、実際に効果があったことだけを書く。

あなたにも、いつか子育てをする日が来るかもしれない。思っていたよりずっと大変で、ベソをかくかもしれない。そんな時のために、この秘伝の書を残しておく。

・ 寝かしつけに毎晩1時間以上かかる
・ やっと寝たのに30分で起きてしまう
・ 昼夜逆転が続いて、自分の睡眠が取れない
・ 何をやっても寝てくれない
・ そもそも何から始めればいいか分からない

どれも、おかしいことではない。誰もが通る道だとわたしは思っている。

この記事を読むと——

・ 赤ちゃんの睡眠リズムが整う仕組みが、今すぐ理解できる
・ 今夜から試せる具体的な工夫が見つかる
・ 「いつまで続くのか」という不安が、少し和らぐ
・ ネントレより大切なことが、分かる
・ 自分の睡眠時間を確保しやすくなる

眠れない夜が、少しでも変わるので試してみてほしい。


「原始人」を意識せよ。光とリズムがすべての基本

よく眠れた理由を一言で言うなら、光とリズムを徹底的に意識したことだ (1)(2)。

イメージは「原始人」だ。アニメの「はじめ人間ギャートルズ」をご存知だろうか。しっかり観たわけではないけれど、広大な自然の中、輝く太陽の下で子育てをしているあのイメージ。
太陽が昇ったら起きる。日が沈んだら眠る。考えなくていい、単純だ。
人間の体はもともとそういう仕組みになっている。

それを赤ちゃんの頃から習慣にしてあげることが、睡眠の土台になると思っている。

具体的にはこうした。

朝は起きたらすぐカーテンを開けて、明るい光を浴びる。直射日光が当たらないようにレースのカーテンをする。日中は明るい部屋で過ごし、生活音があっても気にせず過ごさせる。静かすぎる環境に慣れると、少しの音で起きてしまうことがあるからだ (3)。

夕方から照明を少しずつ落としていく。日が沈んで暗くなってきたら、体が自然と眠るモードに入っていく。

これは大人の睡眠の質を高める方法と、全く同じだ。

精神科医として補足すると、朝の光でセロトニンが分泌され、夜の暗さでメラトニンが出る。朝しっかり光を浴びることが、夜の良い眠りに直結する。赤ちゃんも大人も、体の仕組みは同じだ。


いつから始めればいいか。答えは「今日」だ

わたしは産院を退院した日から、光とリズムを意識した。

普段から大人も意識していることと同じだ。授乳の間隔が狭いから、まだ寝返りもハイハイもしていないから、薄暗い部屋でまったりさせてあげてもいい——それは違うとわたしは思っている。

早ければ早いほど良いかもしれない。でも、途中で寝なくなる時期もあるし、一概にそうとは言えない部分もある。

だから、途中から光とリズムを意識し始めても、全く手遅れではない。

睡眠を整えてあげようと気づいた日が、始めるのに一番ベストな日だ。


起床・就寝のリズムを決めたら、あとはざっくりでいい

記録を確認すると、あなたがすでに4ヶ月頃——100日お祝い、お食い初めあたりかな?こんな感じのリズムになっていたようだ。それをずっと続けている。

起床:6時〜7時半、就寝:20時半〜22時。

2時間程度の幅は気にしない。大事なのはざっくりとしたリズムを守ることであって、分単位で管理することではない。

もし5時に早起きしてしまっても、オムツを替えてミルクを飲ませた後は、そのままベッドに寝かせておく。多少ぐずっても、そのうちまた寝ることが多かった。

ここで一つ、伝えておきたいことがある。

十分にお世話をして、ミルクや離乳食もとり、オムツも替えて、服も濡れていないなら——多少ぐずっていても少し放置するのも手だ。その場を離れ、ベビーモニターで確認しながら作業しよう。

泣くこと自体は、赤ちゃんにとって悪いことではない。「泣き」に関する心配で病院を受診した子どもの95%には医学的な問題が見つからず、正常な範囲とされている (4)。しっかり泣く、ギャン泣きすることは良い運動になり、心地よい疲労をもたらして眠りにプラスになることもある (5)。これは前に書いた夜泣きに関する手紙でも言及した内容だ。


遮光カーテンの使い方を誤るな。「原始人」はカーテンなし生活。

赤ちゃんは大人の約2倍も光に敏感とされていて、少しの光でも目が覚めてしまうことがある。

たしかに完全遮光カーテンが理想ではあるが、わたしはこだわらなくていいと思っている。大切なのは隙間からの強い光漏れをできるだけ防ぐことだ。カーテンの上下左右の隙間を、布・クッション・ぬいぐるみで塞ぐだけでも効果がある。

原始人はカーテンなんか無かった。

それに、完全遮光カーテンには注意点もある。朝日を完全に遮ってしまうと、体内時計(サーカディアンリズム)のズレが修正できなくなる可能性があるのだ。医学的には、サーカディアンリズムが乱れると「朝起きられない」「自律神経が乱れる」といった睡眠障害につながるリスクがある (6)。完全遮光カーテンをつけても、「もう少し寝かしておこうかな」とカーテンを開ける時間を遅くしてしまい、ずっと夜のような空間を作ってしまう方が、よほど問題だとわたしは思っている。

朝日が出てきたら自然と起きる、夜が暗くなったら眠くなる。その繰り返しがリズムになっていく。赤ちゃんの体内時計は生後2〜3ヶ月頃から徐々に形成されていく。だからこそ、朝の光を毎日浴びさせることが、何よりも大切だ。


空気清浄機が最強

寝室環境で一番効果があったのは、意外かもしれないが、空気清浄機だ。

風量を上げると、ちょうどいい生活音を消してくれる。ホワイトノイズに近い効果がある。空気も綺麗になるので一石二鳥だ。冬は加湿器と組み合わせて使っていた。

わたしが使っていたプラズマクラスターの場合、中・強・ターボを使い分けていた。寝てほしい度に応じてレベルを上げたり、こちらの生活音が大きそうな時に上げたり(笑)。最近買ったエアドッグはL4が効果的だった。ダイソンは結構おとなしくて、どちらかというと洗濯物を乾かすのに役立った。

寝かしつけの音だけで言えば、プラズマクラスターが優れているかもしれない。風が強すぎると乾燥するので、その場合はホワイトノイズのアプリや音源を別途流していた。

空気清浄機がないご家庭には、ホワイトノイズやピンクノイズが特におすすめだ。

ホワイトノイズとは、高音から低音まで均等な周波数の音が混ざった「サー」という音のことだ。換気扇や空気清浄機の音に近い。一方、ピンクノイズは低い周波数ほど強く高い周波数ほど弱くなる音で、雨音・滝の音・波の音に近い自然な「ザー」という音だ。ホワイトノイズより耳に柔らかく聞こえる。実は空気清浄機の音はこのピンクノイズに近いとされていて、わたしが「空気清浄機が最強」と感じたのはこういう理由もあるのかもしれない。

どちらも胎内で聞こえていた音に似ているため赤ちゃんが安心しやすいと言われていて、ホワイトノイズを流した新生児の約8割が5分以内に眠りついたという研究結果もある (7)。また、研究ではピンクノイズが睡眠の質を高める可能性が示されていて、注目を集めている分野でもある (3)。ただまだ研究途上でもあり、合うかどうかは人それぞれ。まずは試してみてほしい。

突発的に聞こえる物音や声は連続音より覚醒効果が高いとされている。空気清浄機やホワイトノイズの連続音は、そういった突発音をマスキングして睡眠を守ってくれる効果もある。親子でまとめて眠りやすくなるのが嬉しい。アプリやYoutubeで無料で使えるものも多いので、ぜひ試してみてほしい。

何度も何度も「原始人」と言ってしつこいかもしれないが、原始人にとっての雨や風の音が、現代の私たちの空気清浄機の音なのだ。
つまり結局、現代版「原始人」になってしまえばいいのだ。


寝る前のルーティンを作る

寝かしつけの直前にしていたことがある。

寝る前のミルクを気持ち多めにして、しっかりゲップを出させること。お腹が満たされて、飲み込んだ空気も抜けていれば、気持ちよく眠りにつきやすい。

毎晩同じ流れを繰り返す。お風呂、ミルク、暗い部屋、静かな時間。この「いつもと同じ流れ」が、赤ちゃんに「もうすぐ眠る時間だ」と教えてくれる (8)。

大人だって、毎晩同じルーティンがあると眠りやすい。赤ちゃんも同じだ。

わたしはやっていなかったが、寝る前だけに流すオルゴールや音楽を決めるのも良い方法だ。なぜやらなかったかというと、空気清浄機が抜群に効いたのと、赤ちゃんが眠れる曲の中からわが子が寝られる曲を探し出すのが少し手間に思えたから。どんなにリラックスしそうな曲でも、寝ないことは多い。自分の家の「最強の音」を見つけることの方が大事だとわたしは思っている。


「ネントレ」という言葉について

最近、「ネントレ」という言葉をよく聞く。

ネントレとは「ねんねトレーニング」の略で、赤ちゃんが抱っこや授乳に頼らず、自分の力で眠りにつく習慣を身につけることを指す。欧米の「ひとり寝文化」から生まれた育児法で、賛否両論がある。

わたしは、この記事でネントレという言葉をあえて使っていない。

なぜか。わたしがやってきたことはネントレではないと思っているからだ。そしてネントレというワードが先行してしまうと、本質からずれてしまうと感じているから。

本質とは何か。赤ちゃんの睡眠をしっかり確保することだ。

ネントレの賛否を議論する前に、そもそもの睡眠環境が整っていないご家庭が多い。朝の光を浴びていない、夜も照明が明るいまま、リズムが整っていない——そちらの方が先に考えてほしい問題だ。

ネントレより先に、目の前の赤ちゃんが十分に眠れているかどうかを考えてほしい。ネントレしなきゃと頑張らなくていい。それが、この記事で伝えたかったことだ。


最後に、頑張っているあなたへ

赤ちゃんの睡眠は、完璧にコントロールできるものではない。でも、環境を整えることはできる。リズムを作ることはできる。

光を浴びて、暗くして、リズムを作って、空気清浄機を中〜強にして。それだけで、少しずつ変わっていく。
何回も言うようだけど、ほぼ「原始人」を意識すればいいだけなの。

あなたがいつか親になった時、この秘伝の書を読んでみてほしい。
精神科の診察室で話すような内容だけど、短い診察時間ではここまで伝えきれないことも多い。ここには本当に大事なことを、シンプルにまとめてある。だから、ぜひ読んでお友達や困っている人にシェアしてあげてね。

参謀医Reimyより


参考文献

(1) Kok EY, et al. The role of light exposure in infant circadian rhythm establishment: A scoping review perspective. European Journal of Pediatrics. 2025;184:112.

(2) Van Gilst D, et al. Effects of the neonatal intensive care environment on circadian health and development of preterm infants. Frontiers in Physiology. 2023;14:1243162.

(3) Capezuti E, et al. Systematic review: auditory stimulation and sleep. Journal of Clinical Sleep Medicine. 2022;18(6):1697–1709.

(4) Harskamp-Van Ginkel MW, et al. The need of having a plan in excessive infant crying. Acta Paediatrica. 2023;112(3):434–441.

(5) Ohmura Y, et al. A method to soothe and promote sleep in crying infants utilizing the transport response. Current Biology. 2022;32(20):4521–4529.

(6) Logan RW, McClung CA. Rhythms of life: circadian disruption and brain disorders across the lifespan. Nature Reviews Neuroscience. 2019;20:49–65.

(7) Spencer JA, et al. White noise and sleep induction. Archives of Disease in Childhood. 1990;65(1):135–137.

(8) Mindell JA, et al. Bedtime and naptime routines for young infants: Associations with family sleep outcomes. Sleep Health. 2025. doi:10.1016/j.sleh.2025.04.001.


📜 夜泣き・黄昏泣きの乗り越え方については、こちらもあわせて読んでほしい。

夜泣き・黄昏泣きの乗り越え方|眠れない夜を生き抜いた精神科医ママの実話 参謀医Reimy
夜泣きが続いて限界、黄昏泣きがいつまでも終わらない——そんな夜に読んでほしい。精神科医・参謀医Reimyが「泣かせておいていい医学的根拠」「生後3ヶ月の転換点」「眠れない夜の乗り越え方」を実体験と専門知識で語ります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました