あなたの隣に置く人を、選びなさい|会うと疲れる人との距離の取り方

メンタル

あなたの周りに、会うたびに元気をもらえる人はいる?
逆に、悪い人じゃないのに、会うたびに何かが削られていく気がする人は?

今日は、そういう話をしたい。

環境は、意志より強い。

どんなに強い人でも、
どんなに賢い人でも、
毎日近くにいる人間に、じわじわと影響を受ける。

気力を奪う人の隣にいれば、少しずつ削られていく。
前を向かせてくれる人の隣にいれば、知らないうちに遠くまで行ける。

これは、私が長年かけて気づいたことの一つ。

精神科医として多くの患者さんと向き合ってきたが、人間関係の影響力はあなたが思っている以上に大きい。うつ病や適応障害で外来を訪れる方の話を聞くと、特定の人間関係が引き金になっているケースが非常に多い。「その人が悪い人というわけじゃないんですが、一緒にいると消耗して」という言葉を、何度聞いたことかわからない。

意志の力でどうにかしようとしても、環境の影響には勝てないことがある。だからこそ、誰をそばに置くかを意識することが、メンタルを守る上でとても重要なのだ。

「会うと疲れる人」の正体

悪い人じゃない。でも、会うたびに何かが削られる。

そういう人がいる。なぜそう感じるのか。

私自身も経験がある。仲が良いと思っていた人なのに、一緒にいるうちに気を使うばかりで、本来の自分がいなくなってしまった。鋭い意見をズバズバ言う人だった。正直であることは良いことだ。でも、少しずつ疲れていった。

特に消耗したのは、その人がいない場で他の人の悪口を言う場面だった。同じ医師でも、カルテの書き方や診察の仕方について指導や意見を交わすのは良い。でも、本人がいない場で「またこんな書き方してる」「あの診察はどうなの」と評価し続ける。その場にいるだけで、じわじわと疲れた。

いつか自分のことも同じように言われているのかもしれない、という不安も生まれた。

悪意はない。ただ、エネルギーの方向性が合わないのだ。

精神科的に言えば、人間は他者の感情に無意識に影響を受ける。ネガティブな感情を持つ人の隣にいると、脳はその感情を処理しようとしてエネルギーを消耗する。これは意志でコントロールできるものではなく、脳の構造上避けられないことだ。

だから、「会うと疲れる」という感覚は、あなたの心が正直に出しているサインだ。それを無視しなくていい。

見極め方は、シンプルでいい。

難しく考えなくていい。
基準は、たった一つ。

「その人と会った後、自分がどうなっているか」を見ること。

元気になっている? 何かやってみたくなっている? 自分のことが、少し好きになっている?
それなら、その人はあなたにとって良い存在だ。

逆に、 なんか疲れた。 自分がダメな気がする。 何もしたくない。
そう感じるなら、少し距離を置いてみていい。

その人が悪い人かどうかじゃない。
あなたの心と体が、正直に答えを出している。
それを信じていい。

距離を置くことは、悪いことじゃない。

「でも、急に距離を置いたら相手が傷つくんじゃないか」と思うかもしれない。

その優しさは本物だ。でも、考えてみてほしい。

消耗しながら無理に関係を続けることは、相手にとっても本当に良いことだろうか。あなたが無理をして「いい顔」をし続けるほど、相手はあなたの本音を知らないまま関係が続く。それは、どちらにとっても不誠実かもしれない。

少し離れて自分を見つめ直す時間が必要なこともある。そうすると、自然とわかってくることがある。関係が本当に大切なものなら、距離を置いた後でも続いていく。逆に、距離を置いただけで消えていく関係は、もともとそういう関係だったということだ。

そばに置かない選択は、間違いじゃない。あなたが薄情なんじゃない。関係が、自然な形に落ち着こうとしているだけかもしれない。

あなたの時間とエネルギーは、有限だ。

精神科の臨床でも、人間関係の消耗が心の不調の引き金になるケースは少なくありません。
「会うと疲れる」という感覚は、弱さでも薄情さでもなく、あなたの心が限界を伝えているサインです。
その声を、どうか無視しないでほしい。

友達や付き合う人を選ぶことに、罪悪感を感じなくていい。

誰かと過ごす時間は、誰かとは過ごせない時間でもある。
友達や付き合う人を選ぶことに、罪悪感を感じなくていい。

誰かと過ごす時間は、誰かとは過ごせない時間でもある。あなたの1日は24時間しかない。エネルギーにも限りがある。その有限なリソースを、誰に使うかを選ぶことは、わがままではなく、賢明な判断だ。

「付き合う人を選ぶなんて冷たい」と思うかもしれない。でも逆に言えば、大切な人にこそ、あなたの最善のエネルギーを注げるようにしておくことが、本当の思いやりだと私は思う。

だから、選んでいい。大切に思える人を、そばに置いていい。

そしていつか、誰かの「会った後に元気になれる人」に、あなた自身がなれるといい。

あなたの隣に置く人を、意識して選んでいこう。それも、人生戦略のひとつだ。

参謀医Reimy より

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